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韓国で医療・施術のトラブルが起きたら:外国人患者のための苦情・調停・訴訟の選択肢

韓国で治療により被害を受けた外国人患者も、韓国人と同じ紛争解決の仕組みを使えます。「医療事故被害救済及び医療紛争調停等に関する法律(의료사고 피해구제 및 의료분쟁 조정 등에 관한 법률)」は外国人にも適用され、調停は韓国医療紛争調停仲裁院(K-medi)が行います。まずクリニックに書面で伝えて診療記録などを集め、そのうえでメディカルコリア情報センターに相談してください。苦情の相談に応じ、K-mediへの引き継ぎも支援しています。K-mediの調停は、原則としてクリニックが同意した場合に始まります。申請は被害を知った日から3年以内で、結果は保証されません。

苦情か紛争か:窓口は2つに分かれます

メディカルコリアの冊子「For Foreign Patients Medical Dispute Resolution Guidelines」(英語、6ページ)は、トラブルを2種類に分け、それぞれ別の窓口を案内しています。

医療に関する苦情医療紛争
冊子が挙げる例治療前後の不満、意思疎通の行き違い、請求・返金・予約金などのお金の問題医療事故による死亡や身体の傷害と、それをめぐる争い
相談先メディカルコリア情報センター(KHIDIが運営に関与)K-medi(調停・仲裁)
電話+82-2-1577-7129+82-2-1670-2545
言語英語・中国語・日本語・ロシア語ウェブサイトは英語と中国語。申請書は韓国語

冊子によると、K-mediが扱うのは、医療機関で免許を持つ専門職が行った診断や治療などの医療行為による、生命・身体・財産への被害に限られます。産後ケアセンターや高齢者施設のような医療施設以外での出来事、無資格者による施術、身体の傷害や健康と関係のない手続きや結果への不満は対象外です。法律も医療事故を同じように定めています。医療従事者の診断・検査・治療・処方・調剤などで、人の生命・身体・財産に被害が生じた場合です。

冊子には、美容施術の仕上がりへの不満がどう扱われるかは書かれていません。そのため、ご自身のケースが対象になるかどうかは、ここではお答えできません。K-mediの相談電話で確認してください。請求、返金、予約金の問題は、冊子では「苦情」に当たります。予約金とキャンセルの記事も参照してください。

まずやること

  1. 必要な医療を受ける。 このページは苦情と紛争だけを扱い、医療上の助言ではありません。韓国で緊急の場合は119に連絡します。
  2. クリニックに書面で伝える。 冊子は、患者と医療機関の直接交渉を最も早く円満な方法としています。日付が残るよう、メッセージやメールで伝えることをおすすめします。書面を義務づける規定は見つかりませんでした。返信はすべて保存します。
  3. 書類を請求する。 患者は自分の診療記録の閲覧や写しを求められ、医療機関は正当な理由なく断れません(医療法第21条)。手術・輸血・全身麻酔では、署名した同意書の写しも求められます(第24条の2)。方法は領収書と診療記録の記事で説明しています。
  4. 時間をおかない。 政府の1372消費者相談センターは、施術からかなり後に問題を申し出ると、消滅時効や診療記録の保存期間のために、証拠を集めにくくなることがあると注意しています。
  5. 合意できないときは相談する。 苦情はメディカルコリア情報センター、身体の被害はK-mediの相談電話へ連絡します。

保管しておく証拠

  • 施術前後の写真。1372センターの美容整形後ガイドは、紛争になったときの重要な証拠になると述べています。
  • 領収書、予想費用つきの診療契約書、すべての同意書。
  • 診療記録の写しと、X線やMRIなどの画像。
  • 副作用と追加治療の必要性について、別の医師が書いた所見書。1372のガイドは、交渉の前に入手するよう勧めています。
  • クリニックとのやり取りの記録(当サイトの提案)。
  • K-mediの英語ページは、収入を示す書類、手術前後の資料、医療費の領収書も、求められることがある書類として挙げています。

登録クリニックが外国人患者に示すべきこと

外国人患者誘致のために登録した医療機関は、「医療海外進出及び外国人患者誘致支援に関する法律」第8条により、次の3点を患者が分かるようにしなければなりません。診断名・治療方法・起こりうる副作用、保健福祉部長官が定める様式の診療契約書と予想診療費、そして医療事故が起きたときの紛争解決手続きです。登録には、医療事故賠償責任保険か共済組合への加入も要件です(第6条)。Medical Koreaは、登録機関は2016年から保険加入が必要だと説明しています。治療を受ける前にこれらの書類を求めてください。制度は外国人患者誘致登録の記事で説明しています。

注意点が3つあります。

  • 法律は、クリニックが示すべき紛争解決手続きの内容を定めていません。 K-mediの英語トップページには、まず双方で合意を試み、解決しなければK-mediの仲裁に従うという契約条項の例があります。仲裁判断は確定判決と同じ効力を持つため、そうした条項は署名前によく読んでください。
  • 保険が結果を決めるわけではありません。 冊子は、保険会社がクリニックに代わって示談交渉を行える、と述べているだけです。
  • K-mediの利用に、外国人患者誘致の登録は条件ではありません。 法律は、医療法に基づいて開設された医療機関すべてを対象にしています。

メディカルコリア情報センター

保健福祉部とKHIDI(韓国保健産業振興院)が運営するセンターです。外国人患者の苦情や紛争の相談に応じ、事案のK-mediへの移送を支援し、違法ブローカーに関する相談も受け付けます。Medical Koreaのサイトでは、英語・中国語・日本語・ロシア語と韓国語に対応するとされています。

  • 電話: +82-2-1577-7129。ウェブサイトでは毎日9:00〜18:00(韓国時間)。
  • ソウルのデスク: ソウル駅(空港鉄道)の地下2階。
  • 仁川空港第1ターミナルのデスク: 1階7番ゲート、毎日9:00〜21:00、+82-32-743-3506と+82-32-743-3507。

冊子とウェブサイトでは、2点が食い違っています。ソウルのデスクの受付は、冊子では月〜金曜日、ウェブサイトでは毎日です。仁川のデスクの言語は、冊子では英語・中国語・ロシア語で日本語がなく、ウェブサイトには日本語が入っています。利用前に電話で、言語と受付時間を確認してください。窓口の比較は通訳と相談窓口の記事にあります。

K-medi:調停と仲裁のしくみ

K-mediは、この法律に基づいて設立された独立機関です。医療紛争の調停・仲裁・相談と、医療事故の鑑定などを行います。

  1. まず電話する。 相談電話は+82-2-1670-2545です。英語ページでは平日9:00〜12:00と13:00〜18:00で、相談は無料とされています。K-mediのFAQは、外国人も相談でき、調停・仲裁を申請できると答えています。
  2. 申請する。 次の節を参照してください。手数料がかかります。
  3. クリニックが参加するかを決める。 K-mediは申請書をクリニックに送り、クリニックは14日以内に参加の意思を通知します。通知しなければ申請は却下され、書類は返送され、手数料は全額返金されます。死亡、1か月以上の意識不明、政令で定める重度の障害の場合は、クリニックの同意がなくても調停が始まります。K-mediは、自閉症と精神障害はこの例外に含まれないと説明しています。
  4. 鑑定と調停決定。 医療・法律・消費者保護の専門家による鑑定部が、事実関係、過失、因果関係を調べ、開始から60日以内に報告します。30日の延長が1回できます。調停部は開始から90日以内に決定し、30日の延長が1回できるため、最長120日です。後遺障害の診断に要する期間など、数えない期間もあります。賠償額は、損害、クリニックの過失の程度、本人の過失を考慮して決まります。
  5. 双方の回答。 決定が送達されてから15日以内に、双方が同意するかを通知します。意思表示がなければ同意したものとみなされます。双方が同意すると調停が成立し、裁判上の和解と同じ効力を持ちます。保健福祉部によると、同じ事件はその後、裁判に持ち込めません。どちらかが拒否すれば調停は成立せず、訴訟の道は残ります。調停の途中でクリニックと和解することもでき、記録された和解も同じ効力を持ちます。
  6. 仲裁は別の手続きです。 双方があらかじめ書面でK-mediの最終判断に従うと合意します。仲裁判断は確定判決と同じ効力を持ちます。調停の途中でも申し立てられます。
  7. 支払われないとき。 成立した調停、仲裁判断、韓国の裁判所の確定判決の内容が支払われない場合、審査のうえK-mediの賠償金代払制度に未払い分の支払いを求められ、K-mediがクリニックに求償します。K-mediは、申請人に別途の費用負担はないと説明しています。

期限。 損害と加害者を知った日から3年以内、かつ事故の原因となった行為が終わった日から10年以内に申請します。申請には時効を中断する効力があります。申請が取り下げられるか却下された場合は、1か月以内に提訴しないとその効力が失われます。調停を経ずに訴訟を起こすこともできます。

同時に使えるのは1つの手続きだけ。 同じ紛争がすでに裁判所にあるか、韓国消費者院の消費者紛争調停委員会に申し立てられている場合、また申請後に提訴した場合、K-mediは申請を却下します。

費用。 申請手数料がかかり、請求額が大きいほど高くなります。生活保護受給者と国家有功者は免除され、障害者は減額されます。金額は変わるため、ここには書かず、K-mediが公表しています。K-mediは、手数料以外の費用はほとんどかからないと説明しています。

和解書に署名する前に。 K-mediのFAQによると、以後の請求をすべて放棄する条項があると、原則としてそれ以上は請求できません。例外は、合意時に予想できなかった後遺症に限られます。予想される症状を医師に確認し、合意書に書き込んでおきましょう。

海外から申請する:言語・書類・代理人

  • 提出方法。 K-mediの英語ページでは、海外在住の外国人患者はメール・ファクス、韓国在住ならオンラインも使えます。冊子は、ウェブサイト・ファクス・郵便を挙げ、韓国の携帯番号がなければ郵便を勧めています(韓国の住所が必要)。韓国語ページは、来訪、本人認証つきのオンライン、郵便・ファクスを挙げています。ページにより異なるため、どの方法が合うかK-mediに確認してください。
  • 言語。 書式は韓国語で提出します。英語版・中国語版の書式は参考用としてサイトにあり、英語で書いた場合は韓国語訳の写しも追加で必要です。確認した資料には、日本語の書式は見当たりません。
  • 書類。 調停申請書と別紙、センシティブ情報の収集・利用への同意書、身分証の写し、銀行口座の写し、診療記録、画像資料です。返金のため韓国の銀行口座の提出が求められ、海外送金や為替による損失は補填されません。追加書類を求められることもあります。
  • 代理人。 法律は、書面で代理権を与えられた人が外国人当事者の代理人になることを認めています。申請人が患者本人でない場合は、委任状と関係を示す書類を添えます。K-mediは、弁護士は必須ではないと述べています。
  • 出席。 冊子は、海外の申請人は、代理人が出席しない限り、韓国へ出向く必要があると述べています。初回の期日を欠席しても取り下げとはみなされませんが、2回欠席すると却下の理由になります。
  • 通訳。 冊子は、K-mediの電話では法務部の1345番を通じて通訳を利用できると述べています。1345センターは、韓国に住む外国人向けの多言語窓口で、公的機関向けの三者通訳もあると説明しています。受付は平日9:00〜22:00で、18時以降は韓国語・英語・中国語のみです。審理の場に通訳が付くか、海外からどう使えるかは確認できませんでした。電話の際にK-mediへ尋ねてください。
  • 弁護士。 K-mediは裁判での代理を行いません。大韓法律救助公団(132)、裁判所、法律事務所を案内しています。

そのほかの窓口

  • 1372消費者相談センター。 公正取引委員会が運営する、商品・サービスの苦情の窓口で、通話は有料です。ウェブサイトは韓国語で、外国語の対応は確認できませんでした。美容整形後のガイドは、クリニックと合意できない場合、診療記録、同意書、別の医師の所見書を持って、韓国消費者院などの消費者保護機関に相談するよう勧めています。
  • 韓国消費者院。 消費者紛争調停委員会は準司法的な機関で、双方が受け入れた調停は裁判上の和解と同じ効力を持ちます。K-mediは、すでにその委員会に申し立てられた紛争を受け付けません。
  • 1330(旅行ヘルプライン)。 韓国観光公社が、観光客の苦情をtouristcomplaint.or.krまたは1330(海外から+82-2-1330)で受け付けています。ページには、医療紛争を解決するとは書かれていません。
  • 裁判。 調停を経ずに民事訴訟を起こせます。冊子によると、請求には、注意義務違反、説明義務違反、その過失と被害の因果関係が必要です。また、訴訟は時間と費用がかかると説明し、K-mediは訴訟の平均期間を26.3か月としています。

2027年5月27日からの変更

法令情報センター(law.go.kr)の条文には、2026年5月26日付の改正がすでに表示され、2027年5月27日に施行されるとされています。そのうち第27条第8項が変わり、クリニックは、14日以内に拒否の意思をK-mediに通知しない限り、参加したものとみなされます。K-mediのページは、クリニックの同意が必要な現行の規定を説明したままです。申請する日にどちらの規定が適用されるか、確認してください。

期待できること、このページの限界

K-mediの数字では、調停がいつも始まり、成立するわけではありません。2024年は、申請の約3分の2で調停が始まり、始まった事件の約3分の2が合意に至りました。2025年は、申請が2,605件で過去5年で最多、成功率は約70%と報告されています。開始率には自動開始が含まれ、全患者の数字なので、あなたのケースの見通しを示すものではありません。

  • このページは一般的な情報で、法的助言ではありません。結果は事実関係によって変わり、鑑定は過失と因果関係を調べます。
  • 賠償を約束するものではなく、特定のクリニックの事例も紹介しません。
  • K-mediが審理で通訳を提供するか、美容施術の不満が医療事故に当たるか、1372センターが外国語に対応するかは、確認できませんでした。

FAQ

外国人も韓国の医療紛争の仕組みを使えますか。

使えます。法律は、韓国国民でない人が医療機関に医療事故の損害賠償を求める場合にも適用されると定めています(第3条)。K-mediのFAQも、外国人が相談し、調停・仲裁を申請できるとしています。ウェブページは英語と中国語で、申請書は韓国語で提出します。

クリニックは調停に同意する必要がありますか。

現行の規定では、原則として必要です。K-mediが申請書をクリニックに送り、14日以内に参加の意思を通知しなければ却下され、手数料は返金されます。死亡、1か月以上の意識不明、重度の障害では同意なしに始まります。2027年5月27日からは、14日以内に拒否しない限り参加とみなされる改正が予定されています。

K-mediにはいつまでに申請すればよいですか。

損害と加害者を知った日から3年以内、かつ事故の原因となった行為が終わった日から10年以内です。申請は時効を中断しますが、取り下げや却下の場合は、1か月以内に提訴しないとその効力を失います。早めにK-mediや弁護士に確認してください。

日本から、日本語や英語で申請できますか。

海外から始められますが、提出書類は韓国語です。K-mediの英語ページでは、海外在住者はメールかファクスで申請でき、冊子は郵便も挙げています。英語の書類には韓国語訳が必要で、返金は韓国の銀行口座に行われ、本人か代理人が韓国で出席します。詳細はページにより異なるため、まず+82-2-1670-2545へ電話してください。

K-mediの利用に費用はかかりますか。

K-mediの英語ページによると、電話相談は無料です。申請には手数料がかかり、請求額が大きいほど高くなります。減額・免除の対象者があり、クリニックが参加せず却下された場合は全額返金されます。金額は変わるため、K-mediの手数料ページで確認してください。手数料以外の費用はほとんどかからないと説明されています。

請求や返金、予約金のトラブルはどこに相談しますか。

冊子は、請求・返金・予約金を「医療紛争」ではなく「苦情」としています。まずクリニックに伝え、メディカルコリア情報センター(+82-2-1577-7129)に相談してください。1372消費者相談センターや韓国消費者院も消費者紛争を扱いますが、外国語の対応は確認できませんでした。ルールは予約金とキャンセルの記事にあります。

出典

このページは一般的な情報で、法律上・医療上の助言ではありません。法令、冊子、各機関のページは2026年10月29日に確認しました。法令、連絡先、受付時間、手数料は変わることがあるため、上記の公式な出典で確認してください。